HOME > 翻訳 > 翻訳者インタビュー

翻訳者インタビュー 第一線でご活躍されている翻訳者の「仕事」「自分らしい生き方」
「プライベート」など、生の声をご紹介します。

Vol.41 よく読み、よく見て、よく聞く


森尚子 Hisako Mori

東京都出身。東京在住。
経済・ビジネス・契約書の分野を中心に英日・日英のフリーランス翻訳。自由学園卒。
ビジネス英語を学んだ後、広告会社、出版社を経て、現在に至る。

morihisako1.jpg
契約書の和訳ではいつもお世話になっている森さんに今回はご登場いただきました。遅い時間に依頼をしてもいつも穏やかにご対応していただける懐の深さに何度も助けていただいているのですが、今回も地震の影響がまだまだ残る状況で「桜を愛でながらお伺いしますね」とさらっとおっしゃっていただき、やっぱりいつもの穏やかな口調で色々なことをお話ししていただきました。

森さんが語学に興味をもったきっかけは何ですか?

― 特に自分で意識したことはないのですが、子供時代からとにかく本を読むのが大好きだったんです。中学1年生のときに父が何を思ったのか夏休みにいきなり丸善に連れて行ってくれて「この子が読める洋書をください」と店員さんに言って(笑)その時に「トムソーヤの冒険」を買ってくれたことがきっかけだったと思います。
なぜ、女の子にトムソーヤの冒険だったのかは謎ですが、父も「あ、これで大丈夫です」と何の根拠もないのにそう言ってその本を買ってくれたんですね。
その時は知っている単語を拾い、絵を見ながら読んだのですがそれが、色々なペーパーバッグを読み始め、語学に熱中する最初のきっかけでしょうか。
とにかく本が好きで、英語もなぜか自分にしっくりきましたね。でも、当初は単語がわからなければどんどん読み飛ばして・・・・の読書でしたが(笑)

翻訳を職業にしようと思った経緯を聞かせてください。

― 電通に入社して国際連絡局という部署に配属されまして、そこで色々な英語の文書を目にし、少しですが翻訳もしました。会社勤めをするよりは色々翻訳するほうが楽しくて、また自分にはそのほうが向いているな~と考え始めたのが社会に出てしばらくしてからでした。同じ場所で限られた分野を常に翻訳するよりは色々な分野の翻訳をすること、それは私にとっては新しい知識をどんどん身につけていくことだったのですが、それが楽しくて、楽しくて。
広告会社、出版社を経て、幸いにもオンサイト翻訳者として働いていたところで次々に新しい分野の翻訳をするチャンスに恵まれ、専門的なことは自分なりに調べながら翻訳をしていきました。学生時代に翻訳者を目指して特別に意識して英語を勉強したとかはなかったのですがオンサイト時代に現場でたくさん翻訳させてもらった経験が自分の今の基礎になっています。未経験の分野に尻込みしないことも大事です。またその時々の自分の英語力を客観的に知るために英検やTOEICを受けましたがその試験に向けて集中的に英語を勉強したことも本当に役に立っていますね。
フリーランスになりたいなと思い始めて4年ほどオンサイトと在宅のバランスをとりながら翻訳をしていく中で徐々に在宅へ移行していったのが20年ほど前になります。
オンサイト時代にスキルの高い社内翻訳者さんの翻訳や、普段からの英語への接し方などを見て、それを真似ると同時に自己流でやっていた英語の勉強方法に自信が持てるようになったことはオンサイト時代の大きな収穫ですね。

morihisako2.jpg

弊社では「森さん=契約書の翻訳」なのですが今に至る経緯を教えていただけますか?

― 専門分野に特化しないで幅広く翻訳をするほうが自分には向いていますし、またそれが楽しくもあるのですがフリーランスになり始めたころによくお仕事をいただいているところから「契約書やってみる?」と言っていただき、専門書で調べたり、手引書のようなものを参考にしながら翻訳しました。専門辞書もあれこれ入手しましたね。契約書は形式がある程度決まっているのでとにかくそれをまず身につけるようにしました。ですので、契約書については意識してある程度の勉強をするにこしたことはないと思います。いただいたお仕事だけを通して身につけていけるものではないかもしれませんね。

翻訳の面白いところはどういったところですか?

― 新しいことを知るのが面白い!というところです。今でも「こんな単語があったのか???」という場面に遭遇しますし・・・。ちょっと手間取りますけど、初めて目にしたことでも時間をかけて調べ解決して翻訳できたときは本当に快感ですね。性格的に「まずは自分でできるところまでやってみたい!」「わからないことは自分で調べて解決したい!」と思うほうです(笑)。パソコンやテレビなどの接続も自分でやりたいんです。
電気屋さんに頼むのはもったいないですね(笑)
あとうれしく思うのは、エージェントの方から「クライアントさんから『またあの方にお願いしたい』と言われました」と聞いた時でしょうか。
一人でパソコンの前でニマニマしてしまいますね~(笑)

リフレッシュ方法などあれば教えてください。

― 翻訳ばかりしていたせいか腰痛気味なので(笑)泳ぎに行ったり、ヨガに行ったりして意識的に外出して体を動かすことです。あとは、映画を見ることですが、「映画はできるだけ家では見ない!」ことにしています(笑)。外出の理由を作るためでもあります。
最近見た「英国王のスピーチ」はお薦めですよ!言葉を扱う者として色々な意味で面白かったですね。映像翻訳はやらないのですが、字幕を見ながらセリフを聞き、こう訳すのか、違う訳だとどうなるだろう、この表現は使える!と、脳みそは少し仕事モードですがそうやって映画を見るのも楽しいんですよね(苦笑)
でも、気付くと3カ月ほどヨガもせず水泳もせず翻訳しかやっていなかったな~という期間があるので意識的にリフレッシュしないといけませんね。

今後の目標をお聞かせください。

― いつか自分で面白いなと感じる英語の原書の翻訳本の出版でしょうか。いつか実現するといいなと思っています。リラクゼーションの分野に興味があるので癒し、癒されながら(笑)ゆっくり翻訳してみたいですね。

翻訳を目指している方にアドバイスなどがあればお願いします。

― もし、オンサイトに行かれるのであれば最初は真似するだけでもいいと思いますので社内にいらっしゃる「翻訳の重鎮」(笑)の方、翻訳の部署がある会社には必ずそういう方が一人はいらっしゃいますので。そういう方の仕事の仕方や英語への接し方などを観察して素直に自分も実行してみることをお薦めします。そういう方々も常に勉強しているのに接し、私自身驚いたものです。オンサイトは仕事の場であると同時に学びの場でもあると思います。もうひとつは、「よく読み、よく見て、よく聞いて」をお勧めします。地味な作業ですがやはりそうすることでしか身につかないことがあるからです。
最後は、翻訳を目指している人同士の横のつながりを意識して持つこともお勧めします。やはり情報交換や情報共有することは大事ですからね。私からはこのくらいしかお伝えできませんがどうぞみなさんがんばってください!



Vol.40 ~言葉を組み立てることが面白い~

岩田賢司 Kenji Iwata
兵庫県出身。大阪在住のフリーランス翻訳者。
1983年 京都大学文学部フランス文学科卒業
1986年 京都大学大学院フランス文学科卒業
大学卒業後8年間環境科学研究所で日英、英日の翻訳を担当。その後原子力関係の翻訳会社で社内翻訳者として働く。1996年よりフリーランス翻訳者となり現在に至る。

技術系の翻訳はとにかくこの人!と真っ先に思い浮かぶ岩田さん。日英、英日翻訳以外にもフランス語の翻訳もお願いできる本当に心強い存在です。大阪在住のため、聞き手の私が年末年始の帰省時の12月30日という何かと忙しい時にお正月ムードたっぷりのヒルトンホテルでお話しを聞いてきました。(写真はホテルロビーの正月用の酒樽前です)フリーランスまでのいきさつ、難民支援活動、そして本当は美術館のカタログや哲学書等の翻訳をやってみたい、などなどを昔ながらの柔らかい本物の大阪弁で語ってくれました。

kenjiiwata2.jpg

Q 岩田さんが英語と最初にかかわったきっかけを教えてください。

もう大昔の話になりますが(笑)、大学は文学部だったのですが、小林秀雄ってご存知ですか。今はあまり馴染みがない人かもしれませんが、有名な文芸評論家です。その人の評論が好きで高校生のころによく読んでいました。その人が『自分が学生だった戦前は大学生になったら洋書を読むものである。自分はドストエフスキーの小説をフランス語で読んだ』とよく言っていたんです(笑)日本語の書物を読むように普通に洋書を読む、ということです。高校生の頃に「そんな風になりたいな」と思いました。また、大学に行けばみんな普通に洋書を読んでいる、そういうものだと思っていましたが(笑)
そもそも、そこから始まったのかもしれません。文学を志すものはとにかく洋書を自由に読めなければいけない、と。だから1ドル360円の時代でしたけどなんとか洋書を購入して読んでいました。留学の経験もまったくないのですがとにかく洋書を読みました。
その時に英語の本を読むという訓練をしたことが今も役にたっているのかな、と感じます。
大森望という翻訳者がいるのですが、ご存じですか。大学時代一緒だったんですが、高校生の頃から海外のミステリー小説を原作で読んでるようなやつで(笑)ただ、特に英語に興味があったというよりは、英語は知識を得たいがための道具でしたね。結局、洋書を読んでいたので周囲からこれ訳して、あれ訳して、というようになりまして・・・・それで気付いたら医学書などを訳すようになっていきました。

Q 翻訳を仕事にしたのはいつ頃からですか。

大阪に環境科学研究所というところがありまして、アスベストの問題やダイオキシンの問題などを市民からお金を集めて運営して調査した内容や消費者運動を発信するというところでした。その発信に付随して英文作成が必要だったんです。私自身そういう問題に興味があったのですが、「英語できるなら岩田さんこれを翻訳して」という流れになっていきました(笑)その研究所で翻訳を始めたのが最初でしょうか。結婚して子どもができて、妻が仕事をしていることから、子どもの面倒をみるためにも、前から興味のあった翻訳の仕事を自宅で出来れば、みんな丸く収まるかな、という考えあり、たどり着いたのが在宅翻訳でした。
環境科学研究所にいた時、アスベスト関係の本をみんなで翻訳したことがあったのですがその時に在宅翻訳をしている人と知り合いになり、在宅翻訳という職業があることを知りました。それまで在宅翻訳の仕事があるなんて知らなかったんです。その時に、技術翻訳の分野を知ってその内容がすごく面白いと感じましたね。
その在宅翻訳者さんの紹介で原子力関係の翻訳会社で社内翻訳者として一年間だけですが仕事をしました。
その時が初めて会社らしい会社で働いたんです(笑)「あ、これが世間一般にいう会社なんだな」と思って楽しく過ごしましたね。その一年だけですが、社内翻訳を経験するということは本当に大切だなと思います。今思えばもっと長くいればよかったかな、と(笑)

Q 岩田さんにとって翻訳の魅力とはなんですか。

私はやっぱり「言葉」が好きなんですよね。言葉を組み立てていくことがやっぱり面白いかな。特に和訳の時にそれを感じます。また、リサーチして新しい知識を得ることは楽しいです。私が最近思うことは、人間の思考力は語彙力によって決まっていくのかな、と。年齢がいくと語彙が限られていくように思うんです。だからその時感じたことを表現するときにできるだけいつも違う表現をしたり、ちがう言葉を選んだりすることを心がけています。使う動詞が限られると思考がワンパターンになっていくような気がするんです。でも、翻訳という作業は否が応でも自分の知識や語彙を拡大していく作業でもあるのでその点は魅力というか老化防止も兼ねてありがたいなと思います(笑)人間は何か知識を得る度にその事象にひとつひとつに名前をつけていくじゃないですか。技術英語というのは人間が知識によって自然界を征服していった内容だと思いますから人間ってすごいなと思いますね(笑)あらゆる現象に名称があって、どんな現象でも人間が言語でその現象を伝えることができる、と。いや~、人間って凄いですよね!

Q 失敗談があれば聞かせてください。

失敗ですか・・・・・ありますね(笑)フランス語の技術翻訳が難しいんです。文系のフランス語と技術系のフランス語ってまったく違うということをこの仕事をして初めて知ったんですね。ちんぷんかんぷんの時がありましたね(爆笑)フランス語の技術向けの辞書があまりないんです。一般文書のフランス語翻訳はできますので技術翻訳もできるものだと思っていました。カナダ政府が運営している英⇔仏辞書のサイトを駆使して、更に自分の持っている知識を駆使して、それからグーグルなどでリサーチして、やっと翻訳できるといった感じです(笑)だから今のようにインターネットがあまり普及していない時代は特に大変でした!ですので、フランス語の技術翻訳はある時からお受けしていません(笑)

Q リフレッシュ方法はありますか。

夕飯の買い出しです(笑)今日は何がお買い得かな~と思いながらスーパーに行きます。
もうひとつは、私が関わっている難民の支援活動です。その活動を週2回ほどやっています。一緒に活動している人たちと過ごす時間も翻訳とは全く違う時間を過ごせますね。ただ、難民申請などの関連書類で翻訳を見ることがあるのですが「なんじゃ、この翻訳は?」と思う時は逆にストレスになっているかもしれませんね(笑)
だから、もうひとつはやっぱり一日の終わりにお風呂に入りながら詩集を読むことですね。
詩集以外では、エリック・ホブズボームが好きです。

Q これから翻訳者を目指そうという方へアドバイスをお願いします。

何点かあると思います。まずは日本語の本をたくさん読むことです。次に、論理をつかむ訓練をすること。そして、知的好奇心を育てることでしょうか。「わかっていくことが楽しい」というようになるといいのではないかなと思います。
最後は・・・・自分の経験からですが、やはり社内翻訳へ行くのもすごくいい方法だと思います。

*編集後記*
穏やかな表情とコテコテの関西弁から放たれる受け答えはある時は哲学的、ある時は社会派、と想像もしていなかったことばかりで衝撃を受けました。特に難民の支援活動の話しを聞いた時は本当にそこに関わっているからこそ出てくる内容の深さを感じると同時に翻訳通訳とはそれ自体がゴールではなく目的を果たすための大事なツールだということを改めて実感させられました。こういうインタビューを受けることで難民問題に一人でも多くの人が関心を寄せてくれることを願います、と最後に締めくくられ思わず胸が熱くなりました。12月30日の夜というのに快くお時間作っていただき本当にありがとうございました!ママチャリに乗って颯爽と去っていかれた後ろ姿はかっこよかったです(笑)


Vol.39 翻訳は天職です

【プロフィール】
Luca Barestra ルカ・バレストラ
イタリア出身
2009年大阪大学大学院文学研究科比較文学専攻修士課程修了
日英、日伊のフリーランス翻訳者。
いつも謙虚な姿勢で幅広い分野にわたってお仕事をお引き受けしていただいているバレストラさん。
今回は留学先の上海から翻訳イベントのために来日されると聞き、色々お話しを伺うことができました。
luca1.jpg

Q イタリアのご出身ですが来日までのいきさつをお聞かせください。
A.高校時代から語学が好きで高校のときに英語とフランス語を勉強していました。
大学に入る時にインド・ヨーロッパ語族ではない違う言語を勉強したくなって色々考えだしました。
最終的には日本語を選んだのですが、そのきっかけは当時すでにイタリアではメジャーになっていました日本のポップカルチャーです。ヨーロッパでは本当に主流になっていて日本のアニメ、特にマンガのキャプテン翼や北斗の拳の影響が大きかったです。子どもの頃からテレビでよく見ていただけですが。おそらく私の世代の西洋人で日本に興味を持つきっかけはそんなところからが多いと思います。大きくなってからは北野武の映画に影響されて日本の文化や語学に興味を持ちました。
そういえば、昔イタリアでも「Takeshi Castle (風雲!たけし城)」を放送していたんですよ!
イタリアはフランスと同じくらいヨーロッパの中でも日本のポップカルチャーが一番はやっている国だと思います。

高校時代に学んだ先生に日本語を勉強したいと相談しましたら、イギリスのダラム大学の東アジア研究学部(現在はなくなってしまった学部だそうです)を推薦してくれました。早速インタビューを受けにいきました。その学部は20名前後の規模で、授業の内容も語学の実践にかなり特化してすぐに入学を決めました。4年間通いましたが、1年間だけ交換留学生として仙台市の東北学院大学へ行きました。20歳のときでした。
その時は全てが新鮮でしたね。不安はありましたが、故郷のイタリアからイギリスの大学へ進学するときの不安な気持ちに比べたらまったく問題ありませんでした(笑)

ホームステイも経験しましたが、大学が用意してくれたアパートに住んでいました。
この仙台での1年間は本当に充実していました。初めてきちんと日本語が話せる気がしました。年齢的にも若かったせいか、吸収力がよかったと思います(笑)今上海で中国語を勉強していますがその時のことを思うと格段に吸収力が落ちたことを実感しています(笑)
仙台での留学生活を終え、イギリスにもどり2005年に卒業しました。
友人のすすめで4年生のときに日本の文部科学省の奨学金に応募しました。
実際の奨学金をもらえるのは1年後だったのでもらえるまでの1年間は北京に留学をしていました。

奨学金をもらうと研究生という扱いになり、日本の大学の入学試験を受けることができました。2006年の秋に大阪大学大学院の文学部に入学しました。
そこで、比較文学の勉強と、翻訳理論を勉強し卒業してそのまま大阪に住んでいました。(現在は上海へ留学中)


Q. 翻訳をご職業にされようと思われたのはいつごろでしょうか。
A. 大学時代から仕事をするなら翻訳の仕事をすると決めていました。日英、日伊です。
ですので、大学院での修士課程を終えた時に、博士課程に進むか何か仕事をするか悩みました。その時に自分にはどんな仕事が向いているのか、向いていないのか、を真剣に考えたときに色々な経験を振り返ってみたときに自分には翻訳の仕事が向いていると改めて感じました。

現在は数社からお仕事をいただいておりますが、初めてフリーランスとして翻訳のお仕事をいただいたのは実はテンナインさんからだったんです。

Q. 翻訳の仕事の面白さについて教えてください。
A. 自分の大好きな語学に常に関わっていられるので全てが面白いです。
特に綺麗な日本語の原稿を翻訳をするときは綺麗な英語にするのが楽しくて仕方がないです。また、翻訳をすればするほど自分の日本語がどんどん向上していくのを実感することが面白いですね。
天職というと少し照れくさいですが(笑)翻訳の全てが本当に面白いです。
仕事の面白さとは少し違いますが、ネット環境さえ整っていればどこででも、いつでも仕事ができる「Free」なところはすごく気に入ってます(笑)

Q. 失敗談などがございましたら教えてください。
A. 結構あります(笑)最近テンナインさんからいただいたお仕事なのですが・・・・基本的にご依頼は全てお引き受けしようという姿勢を持っているのですが、分量と時間配分をきちんとわかっていないまま大量のお仕事を引き受けたことです。
自分が納得いくまでリサーチしきれなかったので本当に申し訳なかったと思います。

Q. 翻訳の合間のリフレッシュ方法はありますか。
A. 筋トレです!!(確かに鍛え抜かれた体をしていました。写真でわかりにくいのが残念です)もう一つは小説を読むことです。最近はトルストイやドフトエスキーのようなロシアの現代文学をよく読んでいます。
luca2.jpg

Q.今後の目標はありますか?

A.将来的にはやはりフリーランス翻訳者で仕事をしていくことですが、それを考えると今の目標は一時的にどこかの企業でオンサイト翻訳者として経験を積むことです。その経験をもとに人としても成長してより良いフリーランス翻訳者になることです。

Q. 翻訳者を目指している方に向けてのメッセージ・アドバイスがありましたらお願いします。
A. 2つあります。
まずは、オンラインのリソースをきちんと活かすことです。無料でダウンロードできるものは積極的に活用するべきだと思います。
ふたつめは、人とのつながりを大切にすることです。翻訳者になるにはどうしたらいいのかまったくわからなかったのですが色々な人に相談して教えられて今日まできました。今回はJATのイベントに参加するために東京へきたのですが、積極的にそういったイベントに参加してたくさんの翻訳者さんと接して情報交換をしたり、交流をもつことは大切だと思います。

編集後記
「若い男性の翻訳者さん」に私自身興味津津だった(笑)のでどんな人かあれこれ想像(妄想に近い??)していました。イタリア人らしからぬ(失礼!)シャイな方でしたが「ちょっと照れますが、翻訳は天職です」ときっぱりとおっしゃられた姿は印象的でした。目指す翻訳者の姿に向かって今の自分に足らないものは何かを常に考え、先輩の翻訳者さんからのアドバイスを真摯に受け止めながら前進している様子は私自身も勉強になりました!お忙しいところありがとうございました!


Vol.38 読み手を想像して翻訳をすることが本当に楽しい!

pro-1_101012.jpg

【プロフィール】
北根香織 Kaori Kitane
大阪外国語大学国際文化学科卒業、カナダマギル大学政治学部修士課程修了。その後、NYで4年間仕事をした後、帰国。都内のIR支援会社で3年半翻訳コーディネーターとして英文編集から翻訳まで幅広く仕事をした後、2008年よりフリーランス。

*語学に興味を持たれたきっかけについて教えてください。

中学生のころに母親から地元の個人経営の英語塾に半ば強制的に(笑)行かされまして・・・その塾の先生に高校1年生の夏にホームステイに連れて行ってあげます!と言われそれに母親が行かせてくれたんです。その時にカナダのバンクーバー郊外に行きました。そこで当時の私のレベルの英語が通じなかった経験をしました。カナダの一般家庭で過ごしたのですが、まったく英語が通じず、すごくショックだったと同時に悔しくて「この言語を絶対にマスターしてやる」と思いました。高校では英語科に通っていたのですが、それもその学校の制服が可愛いから受験したというのが動機だったのですが(笑)
ホームステイから戻り、そこからは本当に英語を勉強しよう!と思ったことがきっかけでした。でも、その時は「英語で何かをしよう!」という感じよりはとにかく英語を話せるように、理解できるように、とその気持ちだけでしたね。

*その後大阪外国語大学に進まれたのはその気持ちの延長からですか?

実はそんなことはなく・・・(笑)気付いたら外大に通っていた、という感じでした。
3年生の時にイギリスの大学の政治学部で1年間勉強しました。それまでは北米しか行ったことがなかったのでイギリスの英語に最初慣れなくて授業では少々苦労しましたし、カルチャーショックも大きかったですね。帰国後、大学を卒業し以前から決めていたカナダの大学院へ進む準備をしました。大学院では政治学を学ぶ予定だったのですが、外大出身だった私はすぐに大学院の政治学部への進学が認めてもらえず、まず政治学の学部レベルの授業を1年間取った後に大学院へ進みました。この大学院時代が今の自分の英語力の基礎を培ってくれたと思います。自分の英語に自信が持てるようになった、という感覚でしょうか。

*翻訳をご職業にしようと思ったのはいつからでしょうか。

前職ではIR支援会社の英文編集部で翻訳コーディネーターとして、英文チェック、翻訳などの業務にも携わり3年半勤務したのですが、その時にこれで食べていけるかもしれない、と思った頃でしょうか。
初めての業界だったのですが、私が主に携わっていたのはアニュアルレポートの作成にかかる業務やそれ以外のIR関連の翻訳物でした。

企業が取り扱う多くの社内資料や対外資料を目にすることも多く、特に会社の経営に対する姿勢や考えに触れることができました。消費者としての自分の視点ではなく、企業側の視点を知ることはすごく楽しかったですし、勉強になりました。私、実は飽きっぽい性格でして(笑)その性格を考えると色々な分野の翻訳を考えたときにIR関連の翻訳なら自分に向いていて長くやっていけるのかな、と思いました。
とにかくその3年半に色々な経験を通して、自分に向いていて楽しみながらやっていける仕事は何だろうかと考えました。

*ご家族の方の転勤がきっかけで3年半勤務された会社を辞め、現在のお住まいに引っ越されてから早速フリーランス翻訳者としてお仕事を開始したのですか?

いいえ(笑)翻訳の勉強をきちんとしたことがなかったのでまずは心の準備として(笑)翻訳のコースを何かひとつ勉強をしてみようと思い、通信講座を受けました。本当にこれでやっていけるのか?と不安に思いながら(笑)と、同時に今もつづけているのですが、前職の仕事のお手伝いをしていました。

トライアルって受けるの・・・・私は怖かったんです。拒絶される、じゃないですけど顔の見えない相手と言いますか会ったこともない人に紙での提出物だけでジャッジされるというのは・・・・面接でダメならまだあきらめもつきますが(笑)とにかく怖い、という気持ちがありました。落ちたらどうしよう、という気持ちがありなかなかフリーランスでやっていこうという最初の一歩が踏み出せなかったんです。
前の会社からお仕事をいただけるという有難い状況にはあったのですが、やはり甘えてばかりではいけない、新しいところも開拓していかなければいけない、と自分を奮いたたせ(笑)何社かトライアルを受けようと思って受けた最初の1社がテンナインさんだったんですよ。(ありがとうございます!!)

pro-2_101012.jpg

*北根さんにとって翻訳の面白さはどこにありますか?

前の会社に入社したての頃は、私の翻訳へのイメージは「1語1句翻訳する」というものでした。でも、IR関連の資料だと、例えば企業トップのメッセージのような原稿の翻訳の場合、日本語と英語はもちろんあっていて、どちらもスラスラ読めるのですが、1語1句同じではないんですね。私は翻訳はそういうものであってもいいと思っています。読む人にきちんと伝わる、書き手が何をきちんと伝えたいか、それを正確に伝えられていれば1語1句あっている必要はないのかな、と思っています。もちろん、決算短信のような翻訳は1語1句あっていなければいけないですが。読み手を想像して作業をしていく、ということが私には凄く楽しいですね。また、その過程でぴったりくる英訳や和訳を工夫していく作業は本当に楽しいです。
逆にぴったりくる翻訳がなかなか出ないときは苦しいです(笑)新聞を読んでいる時に参考になる文章や言い回しがあると家でも外でも(笑)新聞に印をつけてしまいますね。

*翻訳の合間のリフレッシュ方法はありますか?

現在の住まいの周囲に山や緑が本当に多いので目の保養のために風景を眺めることですね(笑)もうひとつは・・・・私実はすごくテレビっ子でして(笑)しかも海外ドラマばかりを見ています。全て録画してそれをため込んで一気に見ます!「生きた英語に触れる」ためです(笑)
一日中パソコンに向かっていると朝に読む新聞以外は活字を見たくない!と思ってしまうんです(笑)テレビのリモコンの電池がすぐになくなるんですよね!
そして、週一回のテニスです。それを目標に仕事をしてるとも言えます。フリーになって特に曜日の感覚がなくなってしまったので自分の中でスケジュール管理をするためにも週一回のテニスは欠かせません。

*今後の目標を聞かせてください。

私自身いまだプロの翻訳者だとは思っていません。まだまだ駆け出しの身ですし、上手な方はもっとたくさんいますから。
翻訳には答えがないとも考えています。翻訳には客観的な視点からの「正解」がない、あるいは「正解」は一つ以上あると私が主観的に思っているだけなのかもしれませんが。
今後の目標としては自分の中で、「翻訳をやっています」と周りに自信を持って言えるまでになりたいですね。
お客さまに「この人に任せたら大丈夫!」と思っていただけるのもひとつですが、一方でお客さまに「これは違うんじゃないか」と言われたときに「そんなことありません」ときっぱりと言えるくらいまで、自分の造るものに対して自信が持てるくらいに、がんばりたいです。そこまでの道のりはまだまだ長いですし、辿りつけるかどうかもわかりませんが(笑)

pro-3_101012.jpg

*最後に翻訳者を目指している方たちへメッセージをお願いします。

「最初の第一歩」をどう踏み出していいのかわからない人や、以前の私のように怖い気持ちを抱えながらいつまでも勉強だけ続けていく人などもいると思うのですが今の私が言えることはとりあえずトライしてみる、ことです。向き、不向きはもちろんありますがまずは始めてみないとわからないことですし。私の場合、こうやって御社とお仕事をさせていただいているのも何かの縁だと思っていますし、今の自分の実力以上の、タイミングや縁も絶対にあるからです。だから是非思い切ってトライしてください!

【編集後記】
日英・英日どちらにも定評があるエージェントにとって本当に心強い北根さん。気取らず、飾らず、気負わずで、等身大のご自分をさらけ出していただいたようなインタビューでした。コーディネーターの経験もお持ちなので翻訳すること以外にも付随する手間を惜しまずにこちらの立場にも立って納品していただく姿勢は本当に頭が下がります。思い切って踏み出された最初の一歩が弊社との縁だったという言葉は本当に嬉しかったです。ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いいたします!


Vol.37 ひたすら勉強あるのみ、です

【プロフィール】
奥陽子さん Yoko Oku
ITの会社でシステムエンジニアとしてご活躍された後、翻訳者として転職すべく2005年よりISSに入学。卒業後2年半のチェッカー経験を経て2009年よりフリーランスとなる。
また、現在弊社に週1回ご来社いただいてチェッカーのリーダー的存在として他のチェッカー、私たちコーディネーターからも絶大な信頼を得ている。

pro-1-100810.jpg

Q. まずは奥さんが語学に興味を持たれたきっかけはなんですか?

奥:大学3年生の時に1週間かけてシベリア鉄道に乗って旅をしたことがきっかけでした。そこにはヨーロッパ、アジア、アメリカなど世界各国から来た様々な人が乗車していて、とても国際色豊かな雰囲気だったことを覚えています。

滅多にない機会なので、「今日はイタリア人と話そう」「明日はドイツ人と!」といった感じで多くの国の人と交流する時間を過ごしました。当時の私の英語力ではたいした会話もできなかったのですが、それでもその時に「英語ってやっぱり世界共通のコミュニケーションツールなんだな」と身に沁みて感じ、流暢に英語を話せなくてもいいからある程度英語ができれば色々な国の人とコミュニケーションがとれるんだ!と思い帰国してすぐに英会話学校に通いました。ただ、私は帰国子女でもなく、海外留学の経験もないので、英語で仕事を、というよりは、単なる「趣味」として考えていました。

Q.奥さんとは週1回顔を合わせて色々な話をしていたつもりですが、シベリア鉄道がきっかけだったとは驚きです。そんな事から端を発して関わるようになった英語、つまり翻訳を仕事にしようと思われたのは?
奥:前職でITのエンジニアをしていたのですが、IT系のマニュアルはアメリカ発の英文が多く、またそれらを翻訳された文章を読むことも多かったんです。色々目にするうちに「このくらいの内容だったら自分で翻訳できるかな?」と思う時がありまして(笑)ぼんやりと「翻訳を仕事にするのもいいのかな?」という気持ちが湧きました。

多くの方もそうだと思いますが、仕事って始めて2~3年経つとなぜか仕事を辞めたくなるというか、「本当にこの道でよかったのか?」と思う時期がありませんか?(笑)、私はそういう時期にIT以外のスキルを身に付けたくて、それまで細々と続けていた英語を集中的に勉強したことがあったんです。その時は結局転職には至らず、そのままエンジニアを続けたのですが。

Q.最初から翻訳だったんですね。通訳をするということはあまり考えなかったのですか?

奥:これは、自分のコンプレックスかも知れませんが、帰国子女の友人の流暢な発音を耳にするとやはり通訳は私には向いていない、というかハードルが高いように感じていました。一時期、通訳の勉強もしていましたので、通訳には通訳の面白さがあって、"人と人を繋げている"という感覚が直に感じられるのはいいなと思いますが、一方で翻訳には文章を突きつめていけるというか、単語の選択や言い回しをあれこれと考えたり、難しい原文を理解するために様々な資料を調べたりする作業工程に魅力があると思っています。

Q. さらっとエンジニアとして働きながら英語の勉強を続けていらっしゃることを話していただいてますが(笑)その勉強方法をお伺いしたいです。翻訳者になるための勉強はどのようになさっていたのですか?

それが...私は最初勘違いをしていたのですが(笑)とにかく英語力を上げれば、英語を極めれば翻訳ができると思っていました。それで、とにかく英語の勉強、身近なところでまずはTOEICの点数をのばしていけばいい!と(笑)

私のその頃のTOIECのスコアは700点くらいでした。ITという狭い世界では700点くらいだと「多少英語できるよね?」のレベルだったのですが、いざ転職情報を見ると「翻訳者募集!TOEIC900点以上から」という現実を知り、「あ、今の実力では何もできないんだ」とわかりました(笑)。

エンジニアを辞めてからしばらく文法を中心に集中的に勉強をして、結果としてスコアだけは条件を満たすようになってきたのですが、いざ応募するとなった時、「あれ?翻訳って何だっけ?」「私って翻訳できるんだっけ?」という思いが湧きまして(笑)

例えば、英文を読んで頭では理解しているのですがいざそれを日本語にしようとする上手く書けない、またはすごく時間がかかる、という壁にぶつかってしまいました。その時に英語を勉強することと、翻訳を勉強することは全く違うことに気づいんたんです。よくよく周りを見渡すと英会話学校とは違う、「翻訳学校」というものがあり(笑)それでISSに通い始めました。学校に行って「翻訳ができることと英語ができることは違う」と改めて理解しました。先生にもはっきりと言われましたね。「英語ができるからといって、翻訳ができるとは思わないでください。もし英日の翻訳をしたいのであれば英語5割、日本語5割両方とも同じくらいできるようになってください。母国語が必ずしもできるとは思わないでください。だからみなさんは英語も日本語も磨かなければいけない」と。これは余談ですが、ハイキャリアのリレーブログの「いぬさん」は恐らくそのときの先生なんですよ!
pro-2-100810.jpg

Q. そういう経験を経て現在フリーランスとして歩まれているのですが、翻訳の面白さはどこにありますか?

奥:正直なところ私自身はまだまだ駆け出しのフリーランスなので翻訳の面白さを感じている余裕はありません。学校で学ぶのとは違って、実際の仕事の現場では納期に追われて必死で原稿と格闘することばかりです。ITのエンジニアの経験があるのでIT分野の内容に接すると懐かしい気持ちになり、エンジニア時代の目線になってマニアックな面白さを感じるくらいのことならありますが(笑)

ただ言えるのは、英語、スペイン語、韓国語など様々な言語が世界中にありますが、それらの言語はそれぞれが独自の成り立ちを持っています。翻訳はそれらをなんとかしてつなげていかなければならない作業です。それは辞書があるからといってできるものではありません。単純な言葉の置き換えでは「通じない」ので、言語の特徴や文化を含めたところまで考えて翻訳ができると面白いと思います。納期がなくて好きなだけ考えたり、文献を調査したりして翻訳ができればすごく楽しいかもしれませんね(笑)

pro-3-100810.jpg

Q.では、チェックの面白さはどこにありますか?

奥:色々な人の訳文を原文と突き合わせて見ること自体が単純に楽しいです。人それぞれの個性が反映されていて翻訳は画一的なものではないということをつくづく感じます。その翻訳者さんの世界、頭の中とでも言うのでしょうか、それが垣間見ることができるという感じでしょうか。

また、私個人の考えですが、チェッカーと翻訳者は全く別の職種じゃないかと思っています。例えばそれは、編集者と作家のような役割と違いと言えばわかるでしょうか。チェッカーとなって4年経つのですが、当初はチェッカーとして色々な訳文を見て勉強して、次のステップとして翻訳者になろうと思い描いていたのですが、やればやるほど違う職種であることを実感しています。それぞれに求められるスキルが違うというか。

Q. 翻訳者として失敗談があれば聞かせてください。

奥:まだまだ経験が浅いので、語るほどのものはないのですが、フリーランスになって2番目にいただいたお仕事で「ハリウッドスターの座右の銘集」という英訳がありまして...、
これはもう全くダメでしたね(笑)「~~~~byトム・ハンクス」「~~~~~by ジュリア・ロバーツ」といった感じで、ひとつひとつは1行くらいの短いものだったんですが、大失敗しました(笑)。話し言葉を訳すには、ビジネス文書のような整った文章の翻訳とは違う工夫や技術がいると思うのですが、当時の私には難しすぎて、いわゆる「字面のまま」訳してしまったんです。これはクライアントからフィードバックがきました。翻訳の難しさを改めて知ることができた案件でした。その作品今日持参すればよかったですね(笑)

Q. 翻訳、チェックとフル回転ですが合間のリフレッシュとして何かされていますか?

奥:これと言ってありませんが1日1回必ず外に出ることですね。最長で6日間自宅にこもったこともありますが(これは弊社からのチェック案件でした...)、納品後1時間ほどは念のため自宅待機して、その後、大抵夕方が多いですが仕事とは全く関係のない本を持ってカフェに行ったりして時間を過ごします。1日1回翻訳から一度距離をおきます。そうすることで出てこなかったいい訳文がパッ!と浮かんだりすることもたまにはあります(笑)

Q. 奥さんお勧めの勉強方法はありますか。

奥:2つあります。ひとつは、これは私にとってなのですが、翻訳学校時代の仲間たちと月1回集まっての勉強会です。色々なバックグランドを持った12~13人が集まって一人が出した課題に対して自分の翻訳を持ち寄るのですが、翻訳者にあまりないと言われる横のつながりも感じられますし、他の人の訳文を見ることが勉強になり、何よりも大きな刺激になっています。

もうひとつは、翻訳学校で色々な先生に何度も言われてきたことで、「英文もしくは和文をひたすら書き写す」ことです。私は、「写経」と呼んでいますが、この方法はネイティブの友人に英文の上達法を相談したときも同じ答えが返ってきました。英語にしても日本語にしても、文章の上手なエッセイストや小説家の書いたものを書き写すだけで随分勉強になるので本当にお勧めです。やっぱり基本が大事ということですね。

Q. 最後に奥さんの今後の目標を聞かせてください。

奥:難しい質問ですね(笑)目標がないということではないのですが、具体的に何かを考える以前に、チェッカーとしても、翻訳者としても英語力、日本語力ともにもっともっと磨いていかなければいけないと思っています。とにかく勉強あるのみですね。敢えて目標を掲げるとするなら、以前翻訳学校の先生にも言われたことですが、読み手にあわせて色々な文章が、例えば柔らかいものから硬いものまで、書き分けができる翻訳者になることです。


編集後記
クールな外見と話し方とは裏腹に時には「なんでやねん!」と関西出身の片鱗も見せていただき非常に楽しい充実したインタビューでした。翻訳とチェックに対する秘めた情熱を元SEらしい理路整然とした語り口調でお話しいただく姿がなんともかっこよかったです。「翻訳者としてはまだまだスタートラインに立ったばかりですし、海外生活や留学の経験もない私のようなものが参考になるようなことを語れるでしょうか」と何度も謙遜されていましたが、本当に内容の濃いお話しありがとうございました!



《 前 1 2 3 4 5 6 7 8 9 次 》


↑Page Top